アフリカン非電化冷蔵庫を自作してみた

17年ほど前にアフリカで発明された、Zeer Potという非電化冷蔵庫があります。


仕組みはものすごく簡単。


大きい鉢の中に小さい鉢を入れて、隙間に砂を入れます。
そして砂に水を含ませるだけ。


気化熱といって、水が乾くときに熱を奪う性質を利用しています。
水が乾けば乾くほど、砂が冷やされ、次第に鉢も冷やされる、というわけです。



非電化工房の藤村靖之さんが発明したものは放射冷却を利用しているので、仕組みが全く異なりますが、確かに電気を全く使わずに冷やすことができます。


さらに、アフリカにある材料だけを使って作ることができる優れもの。
年間3万個も販売されているというのだから、事業としても成功していて本当に素晴らしい。


学ぶことは真似ること。というわけで、非電化工房版に続く第二弾として、こちらの記事を参考にしながらZeer Potも自作してみることにしました。


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まずは材料の調達です。


ホームセンターに行ってみると、簡単に材料はそろいました。

これでシメて4,000円です。
鉢は小さい方が1,100円、大きい方が2,300円でした。


ちなみに本場アフリカでは100円で商品として販売しています。
そんなの日本では絶対にムリですから、輸入して売ったほうがいいですよね。それでグローバル化の一丁あがり。はるか遠くから運んだ方が安いだなんて、悩ましい世の中になったものです。


さて、気を取り直して、まずは小さい鉢の穴を塞ぎます。
そうしないと、砂にかけた水が鉢の底穴から入ってきてしまうからです。


紹介記事には「コルクなどで穴を塞ぐ」とあったので、前の晩にワインを1本空けて用意しておきました。(笑)


ところが、いざ当ててみると、わずかにワインコルクが小さい。
そこで、非電化工房版を作ったときの残り素材「銀シート」を使うことにしました。


小さく切り取って、コルクに巻いて出来上がり。


穴に入れてみると、ぴったり!



次に、大きい鉢に砂を敷き詰めて・・・


と、待てよ。


大きい鉢の底に穴が開いていたら、水が底から漏れてしまうのでは??


紹介記事には書いていなかったので、原文記事(英語)を読んで見ると、ちゃんと「大きい鉢の底も閉じること」と書いてあります。


ダヨネ!!(汗)


もうワインコルクはないし、穴もさらに一回り大きいので、断念してもう一度ホームセンターに行ってきました。


これも地味〜〜に穴よりも小さいので、銀シートを巻きます。


これでちょうどよい大きさになって、穴を塞げました。


拡大するとこんな感じです。



さて!ようやく砂の敷き詰めです。


小さい鉢と大きい鉢のトップが同じになるように砂の量を調整します。


隙間に砂を詰めていきます。


これで敷き詰めおしまい。

使った砂の量は15kgほどでした。
なお、ヘリから3cmほどは残しておきます。
水が入らないようにするためと、蓋をするためです。


いよいよ水を入れます。


野菜を入れて、


ジュート(麻)で蓋をします。


これで完成!


でも・・・


風が吹けばジュートなんてずれてしまいますよね。。。


それに、冷やすためには隙間の砂を乾きやすくするのが大切ですから、ジュートが砂を覆うのは良くない。


かと言って、小さい鉢のヘリが露出していると、日光で加熱されてしまいます。


というわけで、またしてもホームセンターに行って、ゴムバンドを買ってきました。


こういう風に、何かを作ろうとすると、とにかく材料や道具が足りなくて何度もホームセンターに足を運ばなくてはいけません。


これがとっても面倒くさい・・・。特に僕は移動時間がもったいないと感じるタイプなので、もし工房を持つならホームセンターの隣だな、とか思ってしまいます。


おっと、また話がズレてしまいました。


ゴムバンドの長さを調節して、ベルトのように締めてみると、ビシッと蓋ができました。


これにて完成です!!


あとは、どれくらい冷えるのか検証です。


実は仮説は考えていて、結果もある程度予想できているのですが、


何事も初めてのことはやってみないとわかりません。


結果は次回のブログにて。お楽しみに!