アフリカン非電化冷蔵庫 夏の温度測定(1)

昨日、アフリカ版の電気を使わない冷蔵庫「Zeer Pot」を作りました


さてコレ、日向と日陰、どちらに置くと思いますか?


・・・


直射日光にあててしまうと、砂の表面は乾いても、大きい鉢の外側が熱せられてしまいます。
すると、せっかく砂が気化熱で冷めても、鉢の熱によって相殺されてしまいます。


だから、これは日光によって乾燥させるのではなく、日陰においてあくまでも空気の乾燥よって水を気化させて冷やすのが正解です。


また、できるだけ風通しの良いところに置くのが良いです。


次に、湿度が問題です。


水を乾燥させることで冷やすわけですから、湿度は低い方が良く、高湿度ではいけません(乾かないから)。


でも日本の夏は湿度が高い!ですよね。


調べてみると、名古屋では7〜9月の平均湿度は80%を超えています。


どうしたものか、と思いましたが、さらに気象庁のデータで今日の湿度を調べてみました。

すると・・・・


実際には、湿度は夜から朝にかけて高くなるものの、昼前から夕方にかけては意外にも60%前後まで下がっていることが分かります。


ということは、冷えるかもしれませんよ!


さぁ、計測結果はどうでしょうか!?


じゃん!


・・・・


冷蔵庫内のほうが、やや低い・・・かな?


最大で5℃の差が出ました。


でも夕方には外気温が下がったのと、湿度が上がり始めたのとで、もう庫内は冷えなさそうです。


うーむ。思ったより冷えたというか、冷えないというか・・・。


と、そこへ、発明仲間の中村さんからFBにこんなコメントが!



「少なくとも外側の鉢は、素焼きでないと冷す事は出来ないはずです」


Ouch!!


考えてみれば、その通り!


水が鉢にしみて、鉢の外側にまでいく。それを乾燥した空気が乾かしてくれることで気化熱を奪って中の砂が冷たくなってくれるわけです。


釉薬(ゆうやく。うわ薬のこと)が塗ってあるこの鉢では、外側に水が達しません。だから、鉢の外側を利用して水を乾かすことができない=砂が冷たくなりにくい=冷蔵庫内があまり冷えない、わけです。


うーん。見た目に惹かれすぎたのが敗因ですね。
形と色がよかったので、釉薬付きだけどいいか、と選んでしまいました。


ま、失敗は成功の母ですから、やり直せばよいだけです。


というわけで、今日もまたホームセンターに行って、今度は素焼きの鉢を買ってきました。


明日、リトライです!



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ところで、Zeer Potで検索したら、米国フロリダでの製作動画を発見しました。


「湿度が80%を越える地域では全く機能しない」と検証済みだそうです。


名古屋の夏では、やはり<冷え冷え>とはいかなさそうです。



こちらもフロリダで製作したした人の動画です。


温度計測もしていて、29.4℃から20℃にまで冷えたようです。
ただ、20℃になったのは深夜なので、外気温もそれなりに低いかもしれません。

それから、フロリダは乾季があって、通年では湿度が42%
それくらい乾燥した地域でなら、10℃くらい冷げられるんですね。

ビールを冷たくしたり、肉を保管したりできる10℃以下までは難しそうですが、野菜ならこれでも十分ですね。