転倒しない子ども乗せ自転車

ビジネスプラン公開の第2弾は、


子どもを乗せるタイプの自転車です。


発明しようと思ったきっかけは、


数年前に自転車協会が、安全な子ども乗せ自転車を作るようメーカーに打診したことがありました。


で、その結果にがっかりしたのです。


どの自転車も、子どもが乗るイスがタイヤの上にあったからです。


それだと重心が高いので、バランスが悪いんです。


乗せるときには子どもを持ち上げないといけないし、


運転するときには重さでフラフラします。


一方、僕がヨーロッパで見た自転車は、三輪でした。


こんな感じです。

デンマークのTrioBike


こんなステキな自転車が、日本で当たり前になったらステキだな〜、と思ったのです。


では、ビジネスプランはこちらです。

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考案日:2009年5月22日


絶対転倒しない子ども乗せ自転車『PocoPoco』


【ビジネスの概要】
絶対転倒しない安全な子ども乗せ自転車の製造販売


【背景と対象客とテーマ】
日本の子ども乗せ自転車は車輪の上に子どもを乗せる形状が100%。
これだと重心が高いため、スタンドを大きくしたり、車輪を二重にしてなんとか安定をとっている。
翻って自転車王国デンマークでは、3輪が多く、子どもが乗る荷台は車輪に挟まれていて重心が低い。
デザインもステキだ。しかし、とても高い。
国産で日本の自転車環境に適し、かつ心を奪われるようなデザインの子ども乗せ自転車は、必ず小さい子どもを持つ母親の心を捉えるはずだ。


【従来のビジネス】
・普通の自転車に据え付ける子供荷台(3000円〜)
・子ども乗せ自転車(2〜5万円)
・電動アシスト付き子ども乗せ自転車(10万円)
・輸入物子ども乗せ自転車(30万円〜)


【商品】
荷台の重心を低くした3輪自転車。子どもを見られるよう、荷台が前にある。前が2輪、後ろが1輪。
日本はヨーロッパやアメリカよりも道路や駐輪場が狭いので、コンパクトなサイズにする。
また、女性が扱いやすいよう、軽量にする。
単価は10万円。

また、電動アシストのモデルも上位機種として展開できる。


【売り方】
高級自転車店と、郊外の自転車販売店などに営業してサンプル機を置かせてもらう。
妊婦や小さい子どもを持つ母親向け雑誌・番組など各種メディアに働きかけ話題をつくる。
一定数の受注を受けてから生産・販売する。


【作り方】
発明・特許を取得後、近くの工場に製造委託。50台単位での製造で、製造単価5万円とする。


【組織】
発明から特許取得までは経営者兼研究者1人。その後営業と総務各1名の3名で事実上のスタート。


【利益】
1台当たりの利益が5万円。
年100台の販売で営業利益500万。
毎年約50万人の新生児が誕生する。5,000人に1人の母親に感動を与えられれば年100台が売れる。


【開業資金】
自己資金300万+借り入れ300万=600万

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さて。


なぜこの自転車の発明をしなかったのか、というと、


結局、欧米のモデルとの差が価格になってしまったからです。


もちろん日本の状況に適した使いやすさ=ローカル対応も付加価値になりますが・・・。



また、発明した自転車を見て、小さい子のいるお母さんが涙を流して感動する、というシーンがどうしても浮かびませんでした。


無名の会社・発明家が作ったモノを売るには、感動的な商品でなければいけない、というのが師匠・藤村靖之さんの教えなのです。


そしてこのビジネスプランに対する藤村先生のコメントはこちら。


「お母さん向けの自転車は、ちょっとやめておいたほうがいいんじゃないかな。


それよりも、思い切ってスポーツや娯楽向けのほうが可能性がある気がしますよ。」



というわけで、まだ回転とひねりが必要なビジネスプランでした。