バイオガス自給装置

都会には(全体としては)お金があるので、


都会が便利・快適になるように商品開発されているのがいまの世の中です。


なので、田舎にいる人たちは実はいろいろ困っているそうです。


「太陽のお風呂キット」でも触れましたが、


都会(都市ガス)と田舎(プロパンガス)を比べると、


やはり効率の悪いプロパンガスはずっと高いのです。


田舎は何でも安い、というわけではないんですね。


けれど、お湯は太陽熱で格安で手に入れらるし


実は調理や給湯に使えるガスだって同じです。


今回はそんなビジネスプランです。


舞台は、牛の牧場です。


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考案日:2012年2月18日


畜産農家のための自給バイオガス装置
 『CowBio』(カウビオ)


【ビジネスの概要】
牛を飼う畜産農家が、自宅で牛のふん尿を発酵させ、バイオガスを得てガスを自給できる装置


【背景と対象客とテーマ】
日本に80万軒いる畜産農家の住む田舎では、都市ガスではなくプロパンガスを使う。
しかしプロパンガスは高コストで、調理にしか使わなくても月3,000円もかかっている。
畜産農家は現金収入が少ない世帯も多く、彼らが毎月の固定出費を抑えたいのは当然だ。
ところで、畜産農家で飼われている牛は、毎日ふん尿を出すが、
わずか数頭の糞で、1家庭分のバイオガスを得ることは十分に可能だ。
大規模な商業用ではなく、超小規模な1家庭のニーズを満たす分だけのバイオガス装置があれば、
ガス代をゼロにし、さらに処理後の残さを良質な肥料として畑に使うこともできる。
牛を飼っている畜産家のご近所農家(180万軒)も、ふん尿を分けてもらえる「ご近所さん」なので対象客だ。
なお、バイオガスは循環型エネルギーなので、環境面でも優れている。
さらに、このバイオガスを使って自家発電、温水利用のコジェネへの展開も視野に入れられる。



【従来のビジネス】
・プロパンガス 月々3000円 (36,000円/年=36万円/10年)
・中規模バイオガス装置(50万円)



【商品】
この商品は、大きく分けて
・材料となる牛のふん尿を入れ、発酵させるタンク
・生成されたメタンガスを精製した上で貯蔵するガス袋
の2つで構成されている。
ユーザーは数日に1回、牛のふん尿を運び、タンクに入れる。
すると発酵されてメタンガスが出てくる。精製したうえでガス袋に自動的に溜まる。
ガス袋はガス管に連結されていて、キッチンで使うことができる。


【売り方】
まず、持続可能な社会に取り組んでいる地域の学者・NPO・若者たちに認知してもらう。
彼らのネットワークを生かし、100農家に口コミで販売し、実績を出す。
次に地元の農協や役所に販売促進の協力を仰ぐ。
農業系、持続可能系のメディアにも同時進行で売り込み、認知度とブランドを高める。


【作り方】
発明・特許を取得後、近くの工場に製造委託。
10台単位での製造で、製造単価2万円とする。


【組織】
発明から特許取得までは経営者・研究者・営業を兼任で1人。必要に応じて人員を採用する。10名ほどの会社に成長させる。


【利益】
製造原価2万円、諸経費1万円、販売価格が5万円。1台当たりの利益が2万円。
初年度10台の販売で売上高50万円、利益20万。
次年度からは+50〜100台を目途にして、5年後に年間300台を目標とする。(利益は600万に。)


【開業資金】
自己資金100万+借り入れ100万=200万

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ちなみにこれは藤村先生が「冷蔵庫くらいの大きさのバイオガス装置がいい」と仰ったので、それをもとに組み立てたビジネスプランです。


じゃ、これやりなよ。と言われると耳が痛い・・・。


とりあえず牛の糞を手に入れてガス作ってみようと思って簡易的な資材は買ったんです。
ところが、春から夏にかけていろいろ悩む時期が続いてしまって、手が動かなかった、というわけです。




そうそう、牛糞のバイオガス装置自体は、日本にも中規模のものがポツポツあるし、欧米ではすでに大規模なシステムとして導入が行われています。


でも、簡易な小型がない。

藤村先生はそこを見ているのだと思います。
(つまり、ローカル化や、地方に仕事を創る、田舎を愉しくする、ということですね。)



バイオガスの本もいろいろ出ていますが、実際にやるとなると専門書が必要です。
読んでみるとと結構、おもしろいですよ。

バイオガス実用技術

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