ミツバチ上映会(前編) 〜日本って、いまどうなっているの?〜

(これから帰国の途に就きますが、ブログは引き続きスウェーデン・ネタでいきます)


エコツアー中に訪れた北極圏の街、オーベルトーネオ。

ここはスウェーデン初のエコ自治体として、ドキュメンタリー映画「ミツバチの羽音と地球の回転」でも紹介されています。


そしてツアーに合わせて、この映画を初めてこの街で上映することになり、映画に登場する方々も来てくださいました。



さぁ、この映画は、観てお終いではありません。

観た後、みんなで話し合うことが大切なんです。


というわけで上映後、ツアー参加者と地元の方たち数名で、お茶しながら懇親会をしました。


祝島のことはショックだったよ。(民主主義・話し合いでなく)お金で地元の人を買収しようとするなんてね。」と長年原発に反対し続けてきたおじいさんが話し始めました。

「それで日本は311の後、どんな状況なんだね?自然エネルギーに向かうのかい」


他の皆さんも、いろいろな感想や意見を話してくれます。


「これまでは、経済成長だけを追って、物質的に豊かになることばかりを目指してきただろう。
でもドイツを始め、イギリスやフランスだって自然エネルギーに力を注いでいる。

日本はお金もあって技術もあるのに、どうしてそっちに進まないんだい。石油や天然ガスに恵まれているわけじゃないだろう?」


「日本は、ヒロシマナガサキという原爆の被害を受けただろう。なのに、その原子力を使うことを選んでしまったんだね。」


「日本は、君たちも知っている通り地震が多い。大陸プレートの端でもあるからね。だから、とても100%の安全なんて保証できない。なのにどうして原子力を選んでしまったんだい?」


「経済的なメリットを求めて原子力を選んだのだと思うけど、それは国全体で議論して、リスクを分かった上で選んだことだったの?」


「一部の人が利権を握っているのが問題だから、時間が経てばその人たちは引退するから大丈夫。君はそう話してくれたけど、このオーベルトーネオの地域でも同じように考えている人たちがいた。
彼らが去れば、勝手に良くなるさ、とね。

でも、現実はそんなことなかった。

その人たちは、自分の子どもたちにその利権を渡してしまうので、何も変わらなかったんだ。
だから、いまの世代が変化を起こさないといけないんだよ」


頂いた質問や意見に対して、ツアー参加者ひとりひとりが、自分たちなりに考えていることを話しました。

あなたなら、オーベルトーネオの皆さんの質問にどう答えますか?



そして、<持続可能なスウェーデン協会>で会長を務めるトリビョーンさんも参加してお話をしてくださいました。

「私が関心を持っているのは、日本での民主主義の動きです。
これは原発はもちろん、社会構造のあり方、電力会社の独占体制にも関わってきます。


日本には、史上初めての草の根の運動を起こしていくことを期待しています。

いますべきことは、中東諸国で起きたようなことをしていくことです。
日本は1000年にわたって階級的な社会を維持してきましたが、それを壊す時にきたのです。


スウェーデンが世界でも先駆的な取り組みをできたのは、市民の運動を経験してきたからです。

私たちは、草の根の運動を通して社会を変えられることを知っています。

日本には強い草の根の運動が起き始めていますので、とても期待しています。」


※後編「民主主義の底力を垣間見る」に続く