都市型エコタウン。こんな街があるなんて。

今回のエコツアーが終わって、所用のためあと1週間滞在。

だけど、スウェーデンもヨーロッパ。日曜日は休みのお店が多い。


首都ストックホルムには、エコタウンというものがある。住宅街なら休日の方が見学にはいいかも、と考えて急きょ行ってみることにした。


エコタウンの名前は「ハンマルビー・ショースタド」。都市計画に則って地域単位で造られていて、市の中心地区にある。
東京で例えれば、品川区あたりに(1〜5丁目まであるような)<町>ごとつくったようなものだ。


さまざまなエコ技術をインフラに導入していて、水道やゴミ処理、交通、エネルギーなど多岐にわたる。


と、ここまでは街のウェブサイトを見ればわかる話。


さて、実際に行ってみた。


まず、住宅のあまりの美しさに唖然。
よくマンションのパンフレットで、実際とはかけ離れたイメージ図があるが、ソレがそのまま実現されている。
しかも、マンション1つだけではなく、全部がそうなのだ。




さらに街並みを見てみる。

道路は車いすも通れるように幅広く、段差がない。
自転車が安全に走れるよう、専用道路がある。

利便性も重視して、沿道に駐車スペースがあり、街路樹でうまく区切られている。
この駐車スペースも、一部段差をなくしてある。
バリアフリーなんて、当たり前の世界だ。

それから信号がない。
これは、車の燃費を向上させるためで、不要な赤信号による停止を無くすことができる。
しかし当然のように歩行者優先で、いつも車の方が止まってくれる。


さらに裏側を見てみようと、マンションの様子を伺ってみた。

すると、やはり仕掛けがあった。
なんとゴミ出しはポスト型。
ここに入れると、地下にある集積場に落ちていく仕組み。これなら溢れることもなく、見た目もクリーンでスマート。
分別は、「生ゴミ」「紙」「その他」。

手紙をポストに入れるようにゴミを捨てる。

このように段差があるところは上からも下からも投函できる。


衣類リユースのポストも常設されていた。


生ゴミは、バイオマス工場に運ばれ、ガスに生まれ変わる。
ガスは市バスのエネルギー源だ。

出てきた熱はここの地区の温水暖房に使われる。
つまり、自分たちが出した生ごみが、暖房エネルギーになるのだ。


実はビル自体にも材質から構造に至るまで、工夫がいろいろあるはずなのだが、さすがにそれは素人にはわからなかった。(たぶん建築家ならわかるのだろう)


さらに駐車場。
街全体をカバーできるよう、地下に大きな駐車場が設置されている。

その上には何と・・・


公園があった。しかも、うっとりするほどステキな公園が。





歩き疲れたので、一服しようとカフェに入ると、これまたステキで、さりげなくオーガニックなミニ・スーパー&カフェだった。


こんな風に、エコをうっとりするほどステキに実現するなんて、もうため息しか出てこない。


人に無理や我慢をさせるのではなく、仕組みを工夫することで自然とエコになってしまうようにする。しかもデザイン性高く。


トドメに、ここは海と川の出会うところでもあった。
もうこのままここに住んじゃいたいかも。と、うっかり思ってしまうほどだった。