28年前にエコ自治体になった街オーベルトーネオ

山口県祝島で、原発反対の運動が始まり、中国電力との戦いが始まった、ちょうど28年ほど前のこと。


スウェーデン北部の街オーベルトーネオでは、「エコ自治体」になることを市議会で決めた。


当時の市長・カートさん(写真中央)にお話を伺った。


なぜ、エコ自治体になれたのか。反対勢力はなかったのだろうか。


「反対なんてなかった。議会では全会一致で可決したよ。

だって、悪いことなんて何もない。いいことばかりなんだから。」


人口の少ない田舎の自治体であったことや、有機農業を進めていくことで、子どもたちの健康を守ろう、という意識がすでに高まっていたことも、うまく働いたんだと思う。


その後、エコプロジェクトへの補助金を得ながら、省エネルギーへの取り組みや、ゴミの分別と再利用など、具体的な取り組みを次々と進めていった。1988年には、自治体の中にエコ・ビレッジを建設もした。


これがいまから23年も前のことで、
(日本はその頃愚かなバブル真っ盛りだったが、それはさておき)
こういう取り組みが実際にできる、というのは間違いなく確かな希望だ。


この取り組みの結果、1992年にリオ・デジャネイロで開かれた地球サミットの際、数ある世界中の候補の中から、オーベルトーネオが最も優秀なエコ自治体として表彰された。
決め手となったのは、「よくできた絵に描いた餅」ではなく、すでに成果を上げていることだった。


どんなに小さな自治体であっても、こういうことができるし、逆に小さいからこそ動きやすい面もある。


また、持続可能な方向に転換することは、決して競争することではない。先駆的な自治体から学び、他の自治体と協力し合っていくことが大切なのだ。