「温暖化問題」以前の問題

地球温暖化のことを勉強していると、実はこの問題より前に大きな問題がある気がしてきます。

温暖化の最大の原因はCO2で、それが「このまま排出し続けると」温暖化が進みます。100年後には平均気温が2.8℃上がって、海水面が50cm高くなる・・・。

それで、主な原因である石油や石炭の消費を減らしましょう、としているわけです。

しかし、そもそも本当に排出し続けることができるのでしょうか?

そう疑問に思う理由は、石油の供給量です。

石油は、埋蔵量ベースですら、あと40年分くらいしかありません。

つまり、このまま排出し続けるほどの石油がないのです。温暖化の大前提である「CO2の排出」は、減らそうとして減るのではなく、そもそも排出できなくなってしまいます。

石油がないのに、どうやって温暖化するのでしょうか?



ところで、石油にはピークオイル問題があって、実質あと10〜20年くらいの間に、需要が供給をどんどん上回り始めます。

そうすると、石油の価格が上がり、全体の使用量は増えても、個人ベースでは今のように消費できなくなります。

今はガソリン1リットル120円か150円かで騒いでいますが、それが300円とか500円・・・もしかしたら1000円になるのも遠くないかもしれません。

でも気をつけたいのは、単に価格が上がるのが問題なのではなく、供給が足りなくなるのが問題なのです。

つまり、いまの経済・文明を支える基盤であるエネルギーが不足するようになる。

ちなみに、石炭はあと250年分くらいありますが、石炭では車も船も動きません。天然ガスだって使い道は限られます。代替燃料であるバイオエタノールを、今の数千倍も生産しないといけなくなります。



古代から現代まで、ほとんどの戦争は資源を巡る争いでしたが、今度はまさに世界中で資源が足りなくなるのです。そうなったときに、果たして争いを避けて平和に未来を切り開くことができるのか。石油も石炭も全て使い切って地球が温暖化する以前に、いまの繁栄を保つことができるでしょうか。

このエネルギー不足の問題こそが、温暖化の影に隠れた、危惧すべき問題だと思うのですが、いかがでしょうか。