10年後の日本を読む(悪い方に)

とても嫌な流れだと感じる。

日本の向かう先が、財政破綻なこと、戦争することなのは避けられないとは考えていた。

 過去記事:借金返済よりも自己投資?(2008年12月)
 過去記事:安倍晋三、現る(2012年12月)

にもかかわらず、この嫌な感じ。
その正体は2つある。

1.安倍政権になって加速度的に戦争準備が進んだ

秘密保護法が成立して、政府に都合の悪い人間は問答無用で逮捕できるようになった。
憲法9条は相変わらず政治生命をかけて変えるつもりのようだが、それを変えずとも集団的自衛権を認めることで米国の戦争に参加できるのはもう目の前だ。
今日のニュースで、派遣法を変えて、3年間の規制を撤廃し、無期限に派遣社員を雇えるようにする方向に決まった。社会的、経済的な弱者を作れば作るほど、自衛隊員をより簡単に、より安く手に入れられるだろう。


2.市民は気がついているのに、分かってはいない

日本が戦争できるようになって、戦う相手は、どこだとお考えか?

北朝鮮
中国?
韓国?

いいえ、違います。
言ったでしょう。「アメリカの戦争に参加する」って。

戦う相手は、中東ですよ。もちろん。

右寄りの方や、マスメディアを見ていると、どうも皆さん、領土問題でぶつかっている隣国と有事になったときに戦えるように、準備をしなくては、と思っていらっしゃる。
そんなの、アメリカが許す訳ないでしょう。
アメリカが、北朝鮮や中国、韓国と戦争すると思う? しないよ。メリットが何もない。

戦争できる国にしなくちゃナメラレル!とか思っている人は、戦う相手が中東の人々だ、って気がついるんでしょうか?
別に憎くもないし嫌いでもない、よく知らない中東の人々と、日本人は殺し合うんですよ。
おまけに、東京も9.11のようなテロの対象になります。
すると社会不安がさらに高まって、監視も進んで、政府にはさらに都合良くなりそうです。


財政破綻にしても、世論調査すると、6割の人は知っているんです。日本が1,000兆円を超えた借金を返せる訳がない、って。
安倍政権になって、税収が回復しましたね。45兆円の見込みです。でも、予算は92兆円組んでますよ。
なぜか政府の予測は右肩上がりの税収で、支出も右肩上がり。返す気サラサラないです。
日本政府の歴史上、最も税収が多かった年ですら、バブル絶頂の60兆円(1992年)なんですよ。

借金が膨らみ続けたら、最後に政府の打つ手は、ハイパーインフレさせるか、徳政令(債権放棄)で借金チャラにするか、国民の預金を巻き上げるかしかない。
それが失敗すれば、政府は倒れます。そしたら、いつかやるしかないでしょう?

こんなこと、10人中6人が知っているんです。

でも、分かってはいない。
分かるってのは、知って、進む道が分かれるってことです。

何かしている人って、超マイノリティーだと思いますよ。
畑をはじめて、自給自足に備えてるとか、外貨を貯めて海外脱出計画とか。
僕も、何にもしていません。
ほとんどの人は知っているだけで、分かっていないんです。

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さて、記事のタイトルを「10年後の日本」にしたのは、上に書いた中東での戦争参加と、財政破綻の後にどうなるか、ってことです。

3年くらいで、自衛隊は中東で殺し殺されするでしょう。

8年かからず、破綻もするでしょう。
オリンピックまでは、ギリギリ持ちこたえるでしょうか。1940年のは、持ちこたえず中止されましたけど。

そしてその後になって隣国と戦うような気がします。
おそらくは、戦争ではなく、紛争という形で。

全面戦争になると、両国だけではなく世界戦争になりかねないし、たかが極東のために欧米がそんなことしないでしょう。
イギリスとアルゼンチンがフォークランド諸島を争ったように、あくまで領土の紛争としてやるのでは。

その時のために、日本政府は「米軍基地をもう撤退したい」と言っているアメリカに懇願して、子ども被災者支援予算(まだゼロ)よりもオリンピック予算(4,800億円)よりも高い6,000億円も払って居続けてもらっているんです(しかも毎年)。

この頃には、すっかり経済も疲弊しきって、国民は弱まっているので、それはそれは簡単にナショナリズムが盛り上がっているでしょう。
非国民って言葉はきっと流行語大賞です。

紛争にどっちが勝つかなんて知りませんが、どうせ勝っても、たかが小さな島一つ。
得られるのは「隣国に勝った」という相対的な優位感情だけ。
ま、でもそれが欲しかったんでしょうから、よかったですね。

負けたらどうなるか?
そりゃ、この紛争を契機にお隣さんはもっと日本列島に食い込んでくるでしょうね。
だってアメリカと向き合うとき、地理的に日本は目の上のたんこぶのような形なんです。地図を90度回してご覧になればよくわかります。


え?
こんな最悪な展開になるわけがないって?

ははは。

まさか。こんなの最悪じゃないですよ。



例えばもっと悪い状況は、中東での戦争参加で経験を積んだ政府が、ついに念願の核兵器に着手。(時の野田首相は、脱原発できない理由が、核兵器のオプションを残すためと表明。隠し続けた話をついに明らかにしてしまった)
米軍基地を追い払い、ついに独立国に。
そして中国、韓国、北朝鮮と全面戦争。
ところが弾道ミサイルで日本各地の原発が狙い撃ちされて、あっという間に北海道から九州まで高濃度放射能汚染。
でも国民は海外には逃げられない。
円が破綻してるし、英語できないし、勇気もないからね。
結局、アメリカとロシアが仲裁に入って、日本を分割占領。
中国は西日本、アメリカは東日本、ロシアが北海道ってとこでしょう。
この分断占領は、瀬戸内寂聴さんも懸念されていましたね(京都新聞の今年の元旦の記事)。

この国は勝てば官軍です。
福島原発事故で、お上=官には文句が言えない国民なことは分かっているから、被爆して病気になろうが飢えようが、属国から搾取こそすれ面倒なんてみてもらえません。

戦場に行くのも、病気になるのも、若い世代です。少子高齢化で、貴重な働き手なのにね。
戦争すると、危機意識が高まって、自殺が減って出産率が高まる、という話もありますが、たっぷり被爆しますから。
元気な若い世代にプレミアムがついていそうです。


これくらい悪い状況だって、荒唐無稽な話じゃないんですよ。
そう考えると、「隣国と紛争」くらいなら、結構ありえるシナリオだと思いますけどね。

10年後って考えると、僕の子どもどころか、僕ですら十分戦場に呼ばれる可能性があります。
そのときには、「赤紙」じゃなくて、「赤eメール」とか「赤LINE」でスマホで受信したりするのかしらね。
いや、日本の行政にそんな効率的なことなんてできやしないから、相変わらず無駄な手順で招集をかけそうな気がする。


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というわけで、これで話は御終いです。

僕の悪い予想はいっつも外れてきましたから、この話も同じく、かすりもしないほど外れてくれることを心から願っています。


こんなこと書いていると、いまや「社会不安を煽った」とかいう容疑でしょっぴかれてしまいそう。
僕にも大切な妻と小さな子どもがいるので、できることならもうこんな話は書きたくないんですよ。

でも、せっかくブログがあるのだから、広大なネットの海に、小さな石ころを、投げられるうちに投げておこうと思ったんです。

それでは。