放射能から子どもを守る その7 対策:自分基準を持つ
前回「体から出す」の続きです。
3つ目の対策は、自分なりの基準を持つことです。
「何が安全か」は、人によって違うし、絶対に安全な基準値もないから、わかりません。
でも、「何が安心か」は自分が決められます。
行政や周りの人に基準を決めてもらうよりも、自分で納得できる基準を持つことが一番安心できます。
その基準を持てるまで、勉強しましょう。
実際の被害は、低汚染地域のほうが多くなります。
高汚染地域の人は、「ここは危ない」と思っていますから、しっかり対策します。
ところが汚染が低い地域の人は危機感がないので、対策がおろそかになってしまうのです。
これは外部被ばく対策の例ですが、栃木県の那須町はかなり汚染が高い地域になってしまいました。
そこで大人たちがなんとかしようと集まって勉強会を開いたところ、700人も集まりました。
さらに、50台のガイガーカウンターを購入し(全て同じ機種)、300人が講習を受け、
子どもたちが行くところをくまなく計測しまくりました。
そして、優先順位の高いところから除染を行い始めています。
このようなしっかりした対応は、汚染の低いところではなかなか起こりにくいかもしれません。
低汚染地域に住む人が、周りが放射能への関心が低いことに流されやすいのは仕方のないことです。
大変ですが、きちんとアンテナを張って、自分なりの基準で食べ物・飲み物を選びましょう。
さて。
まず、国の暫定基準値は絶対にダメなことを知ってください。
これは経済に影響させないための基準であって、子どもを守るものではないです。
チェルノブイリで最も被害の大きかったベラルーシでさえ、子ども向けの食品は37Bq/kgと、日本の15分の1という厳しい基準。
さらにドイツは、未成年者には4Bq/kg以下を推奨していて、日本の125分の1です。
子どもを守る基準というのは、こういうものであって欲しいですね。
情報を集めるときは、それを「誰が言っているか」を気にするとよいと思います。
例えば電力会社や放射線を医療に使いたい研究機関のように、放射能が危険では困る人たちが「危険ですよ」と言ってくれるのかな、と。
放射能のリスクをきちんと踏まえているところや、子どもを守る視点で情報を出しているところのほうが、
より安全で安心できる基準を出していると思います。
そういう情報源の例を、次回「対策:継続して知る」でお伝えします。