放射能から子どもを守る その2 被ばくの作用
※前回「放射能のおさらい」の続き
◇被ばくの作用
放射能の悪さの1つは、体を錆びさせ、老化させることです。
(オレンジ色の丸が、セシウムなどの放射性物質、赤い矢印が放射能)
体内の水分(H2O)が放射能で分解され、OH-とH+ができます。
このOH-がワルモノで、近くの細胞を酸化させます。
酸化とは錆びることで、体にとっては老化現象なんです。
(※出典は、こころの先生クリニック「医師が進める内部被ばく対策」)
チェルノブイリでは、40代の事故処理作業員が70代の体力になってしまった例が報告されています。
もう1つの悪さが、DNAを傷つけること。
DNAは、よく見るとハシゴのようになっていて、一段一段が2つの棒でできています。
放射線は、この棒を壊してしまうんです。
たくさん壊されると、修復が間に合わない。
そうすると免疫が落ちたり、体調が悪くなったりします。
それから、この2本の棒の組み合わせは、ちゃんと決まっています。
どちらか1本が壊されても、残った1本があるので正しい棒で修復されます。
でも2本とも壊してしまうと、元の組み合わせがわからず、段が抜けたままになったり、間違った修復をしたりします。
これが多くなると、このDNAを持つ細胞が異変してしまい、ガン細胞になったり、呼吸器や消化器・心臓などの病気のもとになったりします。
人体には60兆個もの細胞があって、たった2週間で全て入れ替わります。
子どもはもっと早い。
だからDNAにこの間違いが起きてしまうと、小さい子どもほど影響が大きいのです。
(※出典は、原子力教育を考える会にある崎山比早子さんの論文「放射線は身体にどういう影響を与えるか」)
次回「起きうる症状」に続く